「宴」で青空文庫を使ってみる。~「雪の女王」編~


青空文庫というものをご存知でしょうか。

著作権の消滅した作品と、「自由に読んでもらってかまわない」とされたものを、テキストとXHTML(一部はHTML)形式で公開しているものです。基本的には、特に断りを入れることなく利用が可能です。http://www.aozora.gr.jp/guide/kijyunn.html
「宴」を使って、この青空文庫にある小説をゲームにしてみましょう。
今回取り扱うのは「雪の女王」です。
http://www.aozora.gr.jp/cards/000019/card42387.html

プロジェクトの作成

まずは、宴のプロジェクトを作成しましょう。(宴を持っていない方は、体験版などをインポートしてみてください)。
ss_02
Tools>NewProjectから、新規プロジェクトを作成します


ss_03
プロジェクト名の入力。今回は「SnowQueen」とします。

ss_04
こんな感じでプロジェクトが作成されます。SnowQueenシーンを開いてください。


 シナリオデータの作成

さて、準備が出来たのでシナリオを作成しましょう。
青空文庫のページから雪の女王のテキストをもってきて、まるごと.txtファイルにコピペします。
http://www.aozora.gr.jp/cards/000019/card42387.html

ss_01
こんな感じになります。テキストエディタは好きなものをお使いください。

このままだと一行が長すぎるため、 。 や 。」 の後に改行を入れて一行を短くします。置換機能つきのテキストエディタだと楽に出来ます。
そして、エクセルに丸ごとコピペします。テキストの改行は自動的にエクセルでは別の行になるので、そのまま丸ごとText列にコピペするだけです。

ss_11
エクセルを保存してUnityに戻ると、シナリオがインポートされます。
Playで実行確認してみましょう。

ss_05

さっそくシナリオが表示されます。


 

シナリオデータの微調整

ss_06
このままでは、テキストウィドウをはみ出しているところや、余計なテキストも含まれているため、調整していきます。

ss_08
文字数は120文字に収まる程度に、改行を挟んでいきます。(この段階ではまだエクセルではなく、テキストファイルで編集したほうが楽)

 

ss_07
本文以外のデータも削除してしまいます。

作業が終わったら、再びエクセルに全てのテキストを上書きして保存。実行確認してみます。


 挿絵の表示

このままでは背景が真っ暗なため、挿絵を表示してみましょう。
青空文庫のページからDLした挿絵の画像ファイルをUnityにインポートします。
背景・イベントCGの表示の仕方はここを参照。 http://madnesslabo.net/utage/?page_id=636

ss_12
背景が表示されると、こんな感じになります。


キャラクター名の表示

ついでに、キャラクター名を表示

ss_10
キャラクター名の表示は、今回のように立ち絵を使わない場合は、台詞のテキストと同じ行のArg1に名前を書くだけです。
ss_13


 

基本的な部分は以上です。あとは、キャラクターを表示したり、ボイスを入れたり、挿絵を増やしたり、エフェクトを入れてみたり。自由に演出を加えてみるとより、リッチな表現ができるでしょう。
また、選択肢を追加したりして、Ifシナリオを作ってみるのも面白いと思います。
ここまでの作業時間は慣れれば1時間ほど。すぐにできると思いますので、他の青空文庫のシナリオで試してみるのも良いかと思います。

しかし、雪の女王の原作って映画と全然違うんですね。全然ありのままにじゃない。