チュートリアル~UnityちゃんADVを作ってみよう~


宴を使ってUnityちゃんADVを作るチュートリアルです。
Unity初心者向けに、ミスりがちな点を含めた詳細な手順を書いてあります。

目次

Unityを起動してプロジェクトを作成する

Unityを起動します

新規プロジェクトを作成します

プロジェクトウィンドウの表示設定

これはやってもやらなくてもかまわない作業です。
プロジェクトウィンドウの表示設定方法を変える方法です。

プロジェクトウィンドウの右端をクリックして、「One Column Layout」を選択すると、フォルダとファイルを両方同時に表示するようになります。
本ドキュメントではこちらの設定の画面をご紹介しますが、表示方法の問題だけなのでどちらの設定を使っても構いません。

アセットストアで、宴の購入とインポート

Unityエディタのトップメニュー > Window > AssetStore からアセットストアを開きます。
アセットストアはUnityの拡張プログラムや、3Dモデルやサウンドなどの素材を売っているオンラインショップです。

宴は、エディタ拡張 > ゲームツールキット > ビジュアルノベル のカテゴリにあります。
検索から「宴」や「UTAGE」と入力してもかまいません。 

購入には、アカウントの作成と、クレジットカードかPaypalが必要となります。

購入したら「ダウンロード」ボタンを押して下さい。
(既に購入済みの場合はインポート)

宴をインポートします

Unityエディタ本体の画面を表示して、インポートダイアログからインポートを行います。

宴のプロジェクト作成

まず最初に、「宴」用のプロジェクトを作成します。

プロジェクトの新規作成

UnityのトップメニューからTools>Utage>New Projectを開きます。
注*宴の初回インポート直後は、Toolsが表示されない場合があります。コンパイルの終了を待った後、メニューバーのどこかを一度クリックすると表示されるようになります。

宴のプロジェクト名(今回はUnityChanAdv)を設定します。
プロジェクト名は日本語は使わないでください
プロジェクト名に限らないのですが、ゲーム開発ではファイル名などを日本語にしてしまうと、危険なケースが多々あります。
なるべく英数字を使うようにしましょう。

ほかに、画面サイズや使用フォント、セキュリティ用のキーなどが入力できます。
とりあえず、チュートリアルではそのままCreateを押します。
(本番プロジェクトではセキュリティキーを独自に設定しましょう)
画面サイズ以外は後からでも変更可能です。
画面サイズは少し変更が大変ですので、なるべく最初に決めておきましょう。

宴の構成の説明

Projectウィンドウ

Createすると、Project内に入力したプロジェクト名のフォルダが作成され
その下にシナリオファイルやリソースデータフォルダなどが作られます。

Hierarycyウィンドウ

作成したシーンを動かす

新たに作成したシーンが自動的に開かれているので、試しに実行してみましょう。

はじめからを選択

テンプレートのシナリオが開始されます。

シナリオの編集

シナリオ編集用のエクセルを開く

Microsoft Excel でなくても。エクセルファイル(.xlsファイル)が編集できるものであれば、OpenOfficeなどのフリーソフトでもかまいません。
ただし、MacOSXのNumbersだけは、変換時に処理できないデータが混じってしまうらしく、対応できていません。

シナリオを編集

起動時のシナリオは、Startシートにあります。とりあえず、テキストを変更してみましょう。

シナリオのインポートと実行確認

実行確認のため、Unityエディタに戻ります。

インポートの確認

Unityエディタに戻ると自動でインポート(エクセルからUnity用のシナリオファイルを生成)がされます。
インポート時のログは、Consoleウィンドウに表示されます。

シナリオのトータルの文字数などが表示され、エラーがある場合はこのときにログに出ます。

実行確認

Unityエディタをプレイして、実行確認

サンプルデータのDL

この先は、キャラや背景を表示していきます。
使用するファイルはここからDLできます

今回の画像素材はUnityちゃんADV素材をリサイズした画像を使っています。
(ライセンスについては下記参照)

キャラクターの表示

使いたい画像を用意

Unityへインポート

キャラクターの画像の置き場所は、宴プロジェクト名/Resources/宴プロジェクト名/Texture/Character フォルダです。
Unityへドラッグアンドドラッグで使うキャラ画像をインポートします。

Characterシートへの登録

Characterシートで、キャラクター名に対応するテクスチャファイルを設定をします。

シナリオにキャラ名を設定

Startシートで、台詞の行のArg1に、キャラクター名を設定します。

Unityエディタをプレイして、実行確認

実行確認してみます。若干表示が大きいようです。

表示倍率の調整

Characterシートを編集して、画像の表示倍を調整します。

0.4倍で表示することで画面内に収まるようになりました。

表情パターンを登録

他の表情パターンを登録します。
キャラ名を空白にしたまま、Patternとファイル名を追加します。
Scaleなどの設定も個別に可能ですが、今回は同じ値をすべて設定します

シナリオを追加して、他の表情もだしてみます。
Arg2に表情パターンを設定すると、表示を変えられます。

実行確認してみます。

表情パターンの名前

表情パターンの名前は、ファイル名そのままでも、好きな名前を付けてもかまいません。
ファイル名に日本語はつけない方良いですが、ここのパターン名は日本語でもかまいません。


パターン名を分かりやすい名前で書くと、シナリオを確認しやすくはなるのですが、
実際に表示されるファイル名と表情名の対応がわかりづらくなる可能性もあります。
素直にファイル名をそのまま書いてもかまいませんし、シナリオが読みやすい名前をつけてもかまいません。
自分の好きなやり方をしてみてください。

別のキャラクターを表示

別のキャラクターを登録します。
やり方は基本的に一緒です。キャラ名、パターン名、ファイル名を設定し、必要であればScaleなどの値を設定します。

シナリオを追加して、他のキャラも表示してみます。

実行確認してみます。

キャラクターを同時にたくさん表示

キャラクターを同時に表示するにはレイヤーシートを使います。
1レイヤーには1キャラしか表示できませんが、このようにレイヤーを増やすことで複数同時に表示できるようになります。

シナリオを追加して、他のキャラも表示してみます。

実行確認してみます。

キャラクターを反転表示

キャラクターを反転表示するには、キャラのスケール設定を使います。
Scale値はX,Y個別に設定できるので、それを使います。

実行確認してみます。

背景の表示

使いたい画像をBgフォルダにインポート

使いたい背景素材を選択して、
宴プロジェクト名/Resources/宴プロジェクト名/Texture/Bg フォルダ以下にドラッグアンドドラッグでインポートします。

Textureシートへの登録

背景画像はTextureシートで管理します。
ラベル名と対応するテクスチャファイルを設定をします。
テクスチャタイプ設定に「Bg」とする点を注意してください。

今回は設定しませんが、必要に応じてScaleなどの設定が可能です。

シナリオから背景を表示

背景の表示は「Bg」コマンドで行います。

実行確認してみます。

イベントCGを表示する

イベントCGを表示します。背景との違いは、立ち絵が表示されなくなる点です。

使いたい画像をEventフォルダにインポート

使いたい背景素材を選択して、
宴プロジェクト名/Resources/宴プロジェクト名/Texture/Event フォルダ以下にドラッグアンドドラッグでインポートします。

Textureシートへの登録

イベントCGの画像はTextureシートで管理します。
ラベル名と対応するテクスチャファイルを設定をします。
テクスチャタイプ設定に「Event」とする点を注意してください。

今回は設定しませんが、必要に応じてScaleなどの設定が可能です。

シナリオからイベントCGを表示

イベントCGの表示は「BgEvent」コマンドで行います。

実行確認してみます。

ボイスを鳴らしてみる

使いたいボイスファイルをVoiceフォルダにインポート

使いたいボイスファイルを選択して、
宴プロジェクト名/Resources/宴プロジェクト名/Sound/Voice フォルダ以下にドラッグアンドドラッグでインポートします。

シナリオからボイスを鳴らす

ボイスを鳴らしたい台詞に、ボイスファイル名を設定します。

実行確認してみます。バックログでもボイスが鳴らせます。

選択肢を作る

Selectionコマンドと、Jumpコマンドでシナリオ分岐させる

選択肢を使うには、Selectionコマンドを使います。
Jumpコマンドを使うと自動分岐になります。

シナリオの流れは、シナリオラベルを目印に確認できます。

実行確認

ゲームをビルドして出力する

ゲームをWindowsで実行可能なexeファイルとして出力します。

ビルド

ビルド設定は、File > Build Settings  から行います。

ビルド設定はこのようにしましょう。

ビルド後、出力されたexeを実行するとこのようにWindowsのゲームとしてプレイ可能です。

起動時のダイアログについて

Unityのゲームはデフォルト設定だと、起動時にこのように「フルスクリーンかどうかや画面解像度や画質を」設定するダイアログが表示されます。

ただ、ここでQualityをFastest(速度再優先)にして起動すると、画質が極端に落ちます。
Qualityの設定は、このように変更することができます。
選択状態をGood以上にしておくか、Fastestのように画質が悪くなる設定は削除してしまいましょう。


また、そもそもダイアログを表示したくない場合は、このようにPlayerSettingsから設定ができます。

注意

もし、実行結果がこのように紫色の画面になってしまった場合は

次の設定を見直してください。
Edit > Project Settings > Graphics を選択し

Graphics Settings 内の「Always Included Shaders」にshaderが設定されているか確認してください。

初期状態であれば、正常な設定になっているはずなのですが、環境によってこの「Always Included Shaders」の設定が外れてしまう不具合があるようです。

公式ドキュメント

上記の手順はUnity5.3.4での手順を解説したものです。
Windowsでのビルドに関しては今後もあまり変化がないと思われますが、バージョンによって違いが出てくる可能性もあり、ビルドに関してのUnityの公式ドキュメントへのリンクを確認してください。その他の詳細設定もどうように公式ドキュメントから確認できます。

Unityちゃんライセンス

今回使ったテクスチャやボイスのデータUnityちゃんライセンスに準拠します。
このアセットは『ユニティちゃんライセンス』で提供されています。このアセットをご利用される場合は、『キャラクター利用のガイドライン』も併せてご確認ください。
ユニティちゃんライセンス